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April 16, 2005

『緑の少女』

『緑の少女』上『緑の少女』下このタイトルと表紙はモンダイでは? エイミー・トムスン著、田中一江訳、『緑の少女。少女が主役のファンタジーと間違えて手に取る人が多そう。でも実際にはこってこてのSF。原題は"The Color of Distance"。こちらの方が含蓄は深いと思いますが、抽象的すぎるという理由で邦題は変更されたのでしょうか?

異星の生態系を探査中、事故で瀕死となった主人公はそこに住むエイリアンに救われ、一足先に地球へ帰還した調査隊が再び戻るまで、現地で生活することに。もっともこのエイリアンと言うのが基本的には両生類型で、自分や他者の生理化学機能を自在に操る特殊能力を持ち、体表面に浮かべる色や記号を用いた視覚言語で会話する、という人類とは相当に隔たった生き物。こんなエイリアンと人類とのファースト・コンタクトから、双方に起こる変化を描いた作品です。

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200を突破……早い

100から200があっと言う間でびっくり。

アクセス解析によると『許されざる者』の記事『未来少年コナン』の記事『フルハウス』の記事に対して、検索の結果たどり着く人が上昇しています(といってもたかが知れているのですが)。

来月末公開『ミリオンダラー・ベイビー』のクリント・イーストウッド監督の作品。再放送の最終回が間近の作品と、再放送が新たに開始された作品。ということで、やはり時事ネタがアクセス数増加に貢献している模様。もっとも無理して時事ネタに絞っても長続きしないので、自然体でゆきます。

なんのかんのゆって、Hit数の気になる柾たかしです。

April 15, 2005

『ヴァーチャル・ガール』

4150110794表紙で買いました(赤面)。エイミー・トムスン著、田中一江訳、『ヴァーチャル・ガール』。

人工知能が違法とされた近未来世界で、人間そっくりの体と人工知能を備えて誕生した主人公の、その成長を描いた作品。しかし、主人公自身に関するいかにもSF的「ヴァーチャル」な描写がある一方で、ホームレスら社会の底辺に生きる人々の生々しい生活に関する「リアル」な描写も手を抜いていません。ロボットと人間、無垢と汚れ、思いやりとエゴ。そんな「ヴァーチャル」と「リアル」の対比が、この作品に奥行きを与えています。

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April 14, 2005

『戦う都市』

『戦う都市』上『戦う都市』下『戦う船』ではありません。アン・マキャフリー、スティーヴン・マイケル・スターリング著、嶋田洋一訳、『戦う都市。<歌う船>シリーズの紹介は前作で区切り、と思っていたのですが、久しぶりに読んだらけっこう面白かったのでした。

シリーズの中では異色作と言って差し支えないでしょう。神経系をハードと直結した<殻人>をテーマに据えたこのシリーズ。他の作品では<殻人>は宇宙船(<頭脳船>と呼ばれる)に乗って冒険の旅に出ますが、この作品では宇宙ステーションの管理人として「据えられて」います。しかし普段の仕事は地味ながら、直面する危機は半端じゃありません。この非武装のステーションとその住民を、凶悪無比の宇宙海賊から守らなくてはならないのですから。

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April 13, 2005

『旅立つ船』

『旅立つ船』このオチはアリ? アン・マキャフリー、マーセデス・ラッキー著、赤尾秀子訳、『旅立つ船』。昨日、紹介した歌う船』シリーズの作品です。

もともとアン・マキャフリーの『歌う船』は'60年代に発表されてそれっきりだった作品ですが評価は高く、'90年代から彼女と若手作家との共作という形でシリーズ化されました。この『旅立つ船』は<ヴァルデマール年代記>で有名なファンタジー作家(もともとはSFから書き始めたそうですが)マーセデス・ラッキーとの共作です。

前作の魅力として構成の妙を挙げました。短編オムニバスと言う形式が切れとテンポを生んでいるという意味だったのですが、その点で言うと長編一本である本作は、やや冗長な感があります。これは傑作でないから面白くない、という意味ではなく、それでも面白いものは面白いの意味なんですけど。だって、ホント好きなンですよねエ、コレ。長編ならではの人間関係の描き方や、伏線も効いていて。

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April 12, 2005

『歌う船』

『歌う船』人間的なSFの理想のひとつ。アン・マキャフリー著、酒匂真理子訳、『歌う船』。

突飛な設定と戯れるだけのSFも時には良いのですが、手元に置く価値があるのは、想像力の及ぶ限りの彼方から逆を振り返って現実を俯瞰してみせる、そんな回帰するSFだと思っています……何言っているか自分でもわからなくなってしまいました^^; 要するに、SFでも現実に通じる普遍性あるテーマを持っていて欲しい、ということです。その点で、この『歌う船』はSFな設定と、一人の少女がパートナーを得るまでの紆余曲折、という普遍的なテーマをマッチさせた理想的な物語と言えるでしょう。

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April 11, 2005

日ごろの感謝を込めて

って100 Hitで早っ!(笑)

サブタイトルを書いたときには「本の感想」がメインにするつもりだったのに、いつの間にか「映画やアニメやマンガの感想」が多くなりつつある「読去房」の管理人、柾たかしです。……いや、そう言えば名前をどこにも出してなかったな、なんて(笑)。デザイン変更してからは、記事の左下に小さく「posted by」と表示されるようになっています。

コンスタントに読んで下さっている方、読みづらい文章に付き合ってくださって毎度ありがとうございます。たまたま迷い込まれた方、ブックマークの隅に置いてくださると幸いです。皆さまのお陰で左下のカウンターがようやく順調に回りだしました。ようやく、一日で自分のサイトを一番良く見ているのが自分自身、という状態を抜け出した……ような抜け出していないような? いずれにせよ非常に喜ばしく思っています。

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April 10, 2005

『陽だまりの庭で』

難しいこと言わずに。フィリップ・ド・ブロカ監督・脚本、クロード・リッシュ、サロメ・ステヴナン出演『陽だまりの庭で』(1995フランス)。いつもだったら、詳しくはamazonや他のサイトを参照、としてしまうところ。マイナーな作品なんでしょうか? なかなか情報が集まりません。仕方がないので自分でフォローいれます。BS2の深夜枠で見つけた映画です。

ナチス占領下のパリ。祖父母のもとを訪れた父親とその娘。娘の誕生日を祝うためですが、祖父と父親はケンカ。父親は娘をおいて家を飛び出し、不幸にもドイツ兵に捕まって処刑されてしまいます。孫娘に父親の死を告げられない祖父。孫娘を引き取り、父親はレジスタンス活動に参加しているためしばらく帰らない、と嘘をつきます。父親からの手紙やレジスタンスとしての立派な活躍を偽装する祖父。しかし娘がホンモノのレジスタンスと出会って父親のことを話したから大変。今さら死んでいるとは言えず、父親の代わりに祖父が活動へ参加することに……。というのがあらすじ。

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