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April 21, 2005

『招かれざる客』

『招かれざる客』スタンリー・クレイマー製作・監督、スペンサー・トレイシー、キャサリン・ヘプバーン、シドニー・ポワチエ、キャサリン・ホートン出演。1968年、アメリカで公開された作品です。『招かれざる客』。アカデミー脚本賞と主演女優賞(キャサリン・ヘプバーン)を獲りました。詳しい情報はこちらもご覧ください。キャサリン・ホートンがキャサリン・ヘプバーンの姪とは初耳でした。

人種差別に反対してきた両親のもとへ、娘が黒人を結婚相手として連れてくる。主義と心情の乖離に直面する両親……といういかにも緊張を予感させる物語。結果でなく経過を、じっくりと味わう映画でしょうね。そのため、二人のことを知って半日足らずで決断を下さねばならない、といういささかムチャな、しかし有効に緊張を煽る仕掛け。シリアスでいながらユーモアや皮肉の効いた会話も随所に、といった工夫が施してあります。社会的な問題を感じさせながら、それを両親に突きつけられた個人的な問題に落とし込んだところも妙と言えるでしょう。

CGなし、アクションもなし、あっと驚く秘密もなし。視覚的効果偏重の最近の映画しか観ない人には退屈な限りかも。それに社会問題を扱っていると言っても、半世紀近く前のアメリカが舞台ですから、現代日本では関係なく思えるかも知れません。

ただ相手をやっつけたりやり込めたりするのではなく、説得したり認めたりすることを教えている点で、今でも示唆の多い物語と言えそうです。人種のみならず、国や宗教や文化などで原理主義的な意見の多い昨今、それが正しいとか間違っているとかで衝突するばかりが能ではないでしょう。寛容や譲歩だって視野に入れて、必要とあらば選択できる、というのが理性や知性の証明だと思うのですが……。


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