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April 29, 2005

『ターミナル』

『ターミナル』トム・ハンクスの怪演というか妙演が光ります。スティーブン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ出演、『ターミナル』。笑えるし、涙もある。でもちょっとだけ物足りないような、まあ満足なような?

一言にしてしまえば、空港を舞台にしたサバイバル劇。ただ通常と違い、空港に勤める人々からの視点というのがミソ。言葉も文化もちがう、何を考えているのかさっぱり分からない侵入者に、いつの間にか親しみと愛情を感じてしまう観察者の視点。観客も自然とそれに同調させられます。

空港という場所も特異な装置でしょう。観客にとって馴染みのある場所なのにあまり良くは知らない。知っている自分の国と知らないかの国の間にある通過点。現実と非現実の境界。これは「不思議の国」を舞台にした「行きて帰りし物語」? だから主人公の突飛な行動に驚き呆れつつ、観客は一緒に冒険している気分も楽しめます。

加えてそんな場所の力を意識すれば、あるいはヒロインとのロマンスの結末も納得でしょうか。お互いにあり得ない人と恋に落ちたのですから。

主人公が入国にこだわる理由をあんなに引っ張ったのはどうかな、と考えなくもなかったのですが、総じて良い映画という印象です。観察者と合わせた二重の視点が、異文化に馴染めない人を嘲笑うでもなく、狭量な空港の対応を批判するでもなく、という一概にどちらが正しい間違っていたの類ではない、品のあるユーモアを生み出したからかも知れません。


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