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March 08, 2005

『隠し剣 孤影抄』

『隠し剣 孤影抄』時代モノはあまり読まないと書いたのですが、これには痺れました。藤沢周平著『隠し剣 孤影抄』。

山田洋次監督の映画『隠し剣 鬼の爪』の原作ということで手に取ったのですが、はまりました。門外不出の隠し剣を伝えられた人間たちの、悲喜こもごもの運命を綴った短編集です。

秘伝の技を伝えられる、ということは優秀であればこそ。しかし他言無用の「隠し剣」であるところに妙があります。剣の達人であってもある者は貧しく、貧しくとも妬まれる。隠し剣を知るから狙われることもあれば、それを知るから道を外れる者もいる。そして普ぎこちない夫婦仲に悩んでいたり、恋心に気づいてみたり。前半の等身大の人間としての描写があって、後半の活劇の描写が生きている。そんな風に思います。

『隠し剣 秋風抄』酷な運命に翻弄される話もありますが、「臆病剣松風」や「女人剣さざ波」のような話には温かさと爽やかさを感じます。藤沢周平というと、(特に理由もなく)何かもっと地味であるというような先入観を持っていたのですが、これには参りました。『隠し剣 秋風抄』も横に売っていたので、読んでみようと思います。


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