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March 09, 2005

『L.A.コンフィデンシャル』

『L.A.コンフィデンシャル』やっぱり良かった。衛星第二で放送の『L.A.コンフィデンシャル』。最初に映画館で観たときも圧巻でしたが、見直すとまた一段と。このプロットの複雑さ、密度、スピード感。交わされる感情の生々しさ。

誰も正義の味方ではなく、皆の手が汚れている50年代のロス市警。出世のための損得勘定、迷惑なだけの身内意識、マフィアとの癒着、まかり通る買収といった不正義ばかりの中で、信条を貫く男たちの戦い。

とはいえ主人公になるのは出世のため平気で同僚を売り、暴力をふるうことに躊躇いを持たず、本業そっちのけで芸能関係者とコネを作ることに精を出す男たちです。ヒロインは主人公二人とベッドインしてしまうし。弔い合戦となった派手な撃ち合いも、しっかりと手柄にしているし。いわゆるヒーロー、ヒロインを期待してしまうと、抵抗を感じる人もいるかも知れません。

しかし少なくとも彼らのうちの一人はその場所に留まった。英雄がさすらうのは、人間関係の中で正義を貫くことが難しいから。不公正な現実。どれだけ正義を振りかざしても、そんなものに人はついてこない、現実は変わらない。ならば不正に目を瞑り自分の信条を現実に合わせて曲げて生きるか、もしくは正義を貫きその場所を離れるかしか選択肢はないのか。正義という題目ではなく、自分の信条を貫いた。そんな主人公のひとりに強さを感じました。

子供向けテキストとしての娯楽映画にはなりえない。しかし汚れてしまった大人向けの娯楽映画として一級品だと、そう思います。


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