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February 12, 2005

『バッテリー』

『バッテリー』スポーツものが続きます。さらに言えば孤高の主人公ものでもあります。あさのあつこ著『バッテリー』。ハードカバーでは全六巻ですでに完結しているようですが、文庫版で読んでいます。だから『バッテリーII』『バッテリーIII』と読んで、先を楽しみにしているところ。

孤高の主人公ものと書きました。しかし舞台は中学校、そして野球という団体競技を素材にしています。なのでチームメイトや教師や家族と、自らの才能のみを信じきっている主人公、双方の変化を描こうとしている、と読んでいます。それゆえの「バッテリー」、一人ではなく二人、自分と相手、なのかなと。

自分が本当はどういう人間であるのか、ということと、それを周囲が認めるか、ということは、別々の問題に見えて実は表裏一体です。皆に見えない本当の自分は、社会的には存在しないのです。しかし、それは「本当に」存在しないのでしょうか? 『バッテリー』の巧や『龍時01-02』のリュウジは確かな才能を持っていますが、それは最初から認められたものではありません。そこに葛藤があり、挑戦があります。

彼らの物語は才能ある特別な人間へのみ向けられたものではなく、もっと一般的に、できるはずの自分、あるべきはずの自分へと向かうひとつの姿勢を示しているように思います。だからこそ、たとえ才能無く夢も失ってしまったような大人でも、心動かされるのだと。


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